ある所に、新しいピカピカのブリキの
バケツと、古い木製で少し水もれのする
バケツの2つを持っている庭師がいました。
彼は、その2つをいつも決まった手に持ち
庭まで歩いて行きます。
途中で水もれしたバケツの水は、
当然減っています。
2つのバケツの水を庭にやり帰ろうとすると、
バケツ同士の声が聞こえました。
ブリキのバケツが木製のバケツを
役立たずとなじっているのです。
木製のバケツはあまり役に立てずに
申し分けないと謝っています。
それを聞いた庭師は、いつものように
手にバケツを持ち、帰り道は
下を見るようバケツに言いました。
行きに木製のバケツが通った道ばたには
野の花が芽ばえていました。
ブリキのバケツが通った道ばたは
カラカラにかわいたままで
草1本なかった。ということです。
イギリスに昔から伝わるお話です。